自作PC推進委員会 第2回 CPUの話
PCの性能に一番影響を与える部分です。
CPUとは
結局のところPCの中枢となるところです。PCの性能はCPUの性能に左右されると言っても過言ではないでしょう。
最新のものは非常に値が高く、1世代前のCPUあたりが手ごろな価格で販売されています。
2000年2月の時点でインテルとAMDのCPUがメジャーとなっています。
ここでは基本的には上記の2社のデスクトップ用のCPUを紹介したいと思います。
まずCPUを大別するとsocket7、slot1、slotA、socketA、socket370のものに大別されます。
socket7
もうかなり前のCPUと言っても差し支えないでしょう。
AMDのK6-2などがいまだに販売はされています。
ちなみにベースクロックが66MHzを越えたものをSuper socket7(Super7)と言ったりもします。
また、秋葉原などではバルク品(箱も保証もない現物のみでの販売、詳しくはそのうち・・・)の状態で
ノート用CPUのK6-2+やK6-3+が販売されています。これは実際の所はSoket7のCPUに当たります。
代表CPU:Pentium、MMX-Pentium、K6-2、K6-III、K6-2+、K6-3+
slot1
現在の主流となりつつあるのはsocket370ですが、こちらもまだまだ健在です。
インテルのPentiumII、PentiumIIIがslot1として販売されています。
以前はCeleronもslot1でしたが、今では完全にsocket370に移行しています。
PentiumIIIはsocket370に移行しつつありますが、まだslot1タイプのものも多く販売されています。
理由としてはslot型のCPUよりsocket型のCPUの方が製造コストが安く上がることにあります。
また、CPUへの電源供給面にやや問題があったと言う話も聞いています。
代表CPU:PentiumII、PentiumIII、Celeron(旧タイプ)
socket370
インテルのPentiumIIIや現行のCeleronがこの型にあたります。
ピンの数が370本であることからこう呼ばれています。
ちなみにコンバーターをつければ、socket370のCPUがslot1として動作します。
一つ重要な点があります。単純にsocket370と言っても2種類が存在します。
PPGAとFC-PGA(Flip Chip PGA)の2種類です。
基本的にこの2種類は別物に近いところがあります。
最近ではまずないでしょうが、マザーボードがFC-PGAに対応していない可能性もあります。
古いマザーボードを利用する場合は注意が必要かも知れません。
(FC-PGA対応と書いてあるのはもちろんですが、PentiumIII対応となっていれば大丈夫です。)
代表CPU:PentiumIII、Celeron
socket432
初期型のPentium4がこの型に当たります。ピン数が423本あります。
すでに新しいソケットタイプのPentium4が発売されており寿命はそれほど長くなさそうです。
これまでのsocket370などとは互換性は全くないようです。
socket478
最近のPentium4のソケットのタイプです。
ピンの数がsocket423と変わりませんが、出ているCPUは全く一緒です。
socket478と同様socket370などとは互換性は全くないようです。
socket423との互換性に関しては全く分かりません。
slotA
すでに古い規格となったAMDの独自規格です。
高クロックのslotA対応CPUが市場から消えつつあるので、あまりお勧めできません。
代表CPU(と言うか多分これだけ):Athlon
socketA
新型のAthlon、Duronがこの規格に当たります。
Athlonは同クロックで値段が安くPrntiumIIIを凌ぐ性能なのでお勧めです。
代表CPU:Athlon、Duron,Athlon MP,Athlon XP
ベースクロック(FSB)と倍率(クロックアップ)
CPUの早さの決め手はマザーボードにある「ベースクロック(FSB)」とCPUそれぞれが持つ「倍率」にあります。
この2つが揃って早いCPUを実現することが出来るのです。
ベースクロック
マザーボードそのものが持っている周波数です。
CPUはこれと同期をとって動作しています。
マザーボードは複数のベースクロックで動作するようになっており、
その中から1つが選択されています。(最初から1つの場合もありますが・・・)
もちろん自分で設定を変えることもできます。
現在のメジャーなベースクロックは66MHz、100MHz、133MHz、200MHzでしょうね。
ベースクロックの値はCPU以外の動作速度(メモリやPCIバスなど)にも影響を与えることもあります。
倍率
CPUが持ってるものです。最近のCPUは基本的に変更できません。
(一部ツールなどを使えば変えられることもありますが、そう言うのは例外と言うことにしておきます。)
倍率変更ができた頃は倍率を強制的に変えて、実際のクロックより高い性能と偽り販売していた例があり、
そのために変更をできなくして販売するようになったと聞いています。(ちなみにその製品をリマーク品と言います)
5倍の倍率を持つCPUでベースクロックが66MHzの場合は333MHzで動作します。
(ベースクロックは小数点以下を切り捨てて呼ぶので実際のクロックには多少の誤差が出ます(大差はないですが))
同じく5倍のCPUでベースクロックが100MHzの場合は500MHzで動作します。
また倍率が7倍でベースクロックが100MHzの場合は700MHzで動作します。
クロックアップ
ベースクロックが大きければ大きいほどいいのかというとそう言うわけでもありません。
CPUはメーカーが指定したベースクロックにしておかないと、動作は保証できないとしています。
その状態で動作させればCPUに記載されている性能で動作することになっています。
それを無理してベースクロックを高い状態で動作させてしまおうというのがクロックアップと言われます。
もちろん全てのCPUで保証されているわけではなく、クロックアップが出来るCPUは限られます。
インテルのCeleronがうまくいきやすいと言うのが一般論でしたが、
最近ではCeleronも倍率が上がりすぎてなかなか難しくなっています。
クロックアップが成功すれば、66MHzX5=333MHzで動作していたものが、
83MHzX5=415MHzで動作したりするようになるわけです。
もし出来ない場合はPCが起動しない、しばらく使っているとOSが不安定になるなどの影響が出てきます。
その時はベースクロックを戻せば基本的に大丈夫です。稀にダメなときもあるかも知れませんが(−−;
当然の事ながらクロックアップはCPUに高い負荷をかけていることになるのでそれは忘れないようにして下さい。
動作電圧
CPUに供給する電圧は、それぞれ違った定格電圧を持っています。
同じCeleronの動作クロックが違うものを比較しただけでも、定格電圧が違っていたりもします。
CPUは高い電圧をかけるほど、安定するものですが、
電圧を高くすればするほど、消費電力が上がり発熱量も上がってしまいます。
そう言うわけで、CPUはできる限り必要な電圧は低く済むよう設計されています。
つまり、クロックアップの際にCPUにかける電圧を上げれば、
そのままでは動かなかったクロックでも動作するようになる可能性があるわけです。
ただし、どこまで上げても良いというわけではなく、だいたい定格電圧
の1割程度までと言われています。
上げすぎてCPUに煙を吐かせても私は責任をとりません(爆)
ちなみに電圧を上げると発熱量が上がる・・・これは逆のことも言えます。
つまり、電圧を下げると発熱量が下がります。これを利用するとPCの静穏化にも繋げられます。
とにかく静かなPCにしたいと言うことで、クロックダウンしたPCを作る人もいます。
キャッシュ(キャッシュメモリ)
最近のCPUにはたいていキャッシュというものがついています。
CPUのメモリ速度の差を埋めるために使われる潤滑剤とでも考えればいいでしょう。
このキャッシュサイズ(及びキャッシュの動作速度)はCPUの性能にかなりの影響を与えます。
最近の低価格型CPUはこのキャッシュサイズを削ることで、値段を抑えていると考えて良いでしょう。
また、キャッシュにはL1(1次)キャッシュとL2(2次)キャッシュという2種類が存在します。
基本的にはプロセッサ・コアの近くに置かれたL1キャッシュの方が高速です。
しかしL1キャッシュは設置場所の問題から容量が制限されます。
そこでCPUはL2キャッシュという形でL1キャッシュよりも低速ながら大きなサイズのキャッシュを持っています。
ただし、最近ではL2キャッシュもプロセッサ・コアの近くに設置することが多くなってきました。
この形式をとっているものを「オンダイ」と言い、従来の形を取っているものを「オフダイ」と言います。
(ダイとはプロセッサの回路を焼き付けるシリコン・ウエハのことです)
この形式が違うとキャッシュの動作速度も変わるためCPUの性能はずいぶんと違うようです。
余談ですが、それ以前はCPU自体はキャッシュを持たずにマザーボードがキャッシュを持っていました。
クロック数と動作スピード
クロック数が同じなら同じスピードで動作するというわけではありません。
前述のキャッシュの影響やCPUの仕様によって同じクロック数のCPUでも大差が出ます。
700MHzのPentiumIIIとCeleronで比べた場合でも、かなりの違いが現れます。
コア名とCPUのコードネーム
CPUは開発過程においてコードネームで呼ばれています。
コードネームとは結局のところCPUのコア(中枢)の名称となります。
コア名(コードネーム)が違ったとしても出荷されたときには統一されたCPU名になることが多数です。
例えばインテルのCoppermineとKatmaiはどちらも出荷されたときにはPentiumIIIでした。
しかし実際の所は商品名が一緒だからといっても、
コアが違うと全く別の代物と言ってしまっても過言ではありません。
それぞれのCPUについての解説
これから各CPUについて簡単に解説をしていきます。
CPU名の隣にあるのは順にコア名、FSB、L2キャッシュ、CPUの形状です。
一部省略してあるものもあります。また、開発が終了した(と思われる)ものは最大クロックも記してあります。
Pentium4:Willamette,FSB 200MHz(DDRでCPUは400MHz駆動),L2 256KB,Scoket423/Socket478
PentiumIII:Coppermine,FSB 100MHz/133MHz,L2 256KB,Scoket370(FC-PGA)/Slot1(SECC2)
開発コードネームがCoppermineと呼ばれているこのCPUが今のインテルの主流です。
L2キャッシュがCPUの動作クロックと同じクロックで動作するため非常に高速です。
限定出荷していた1.13GHzのものがリコールとなってしまい、ちとケチがついた感はありますが・・・・。
PentiumIII:Katmai,FSB 100MHz/133MHz,L2 512KB,Slot1(SECC2),Maximum 600MHz
L2キャッシュはオフダイでCPUの動作クロックの半分で動作します。
Coppermineに道を譲り渡し、もうほとんど見かけないように思えます。
Celeron:Coppermine-128K,FSB 66MHz,L2 128KB,Socket370(FC-PGA)
インテルの低価格版CPUです。
PentimIII/Coppermineの廉価版と言ってしまって差し支えないでしょう。
PentiumIIIが完全にベースクロック133MHzに移行できないため、
PentiumIIIとの差を示すためだけにベースクロックが66MHzで留まっていると思われます。
またL2キャッシュサイズはPentiumIII/Coppermineの半分になっています。
Mendocinoとの大きな違いとしてはSSE命令を搭載したところにあります。
SSE命令を用いたプログラムについては大幅に早くなりますが、
そうでないものに関してはほとんど変わらないようですね。
(キャッシュのアクセス速度は上がっているようですが)
余談ですが、Celeron/Coppermine-128KとPentiumIII/Katmaiの600MHzで
ベンチマークをしたところKatmaiが勝ったようです。これにはベースクロックの影響があるようで・・・。
Celeron:Mendocino,FSB 66MHz,L2 128KB,Socket370(PPGA),Maximum 533MHz
こちらもCeleron/Coppermine-128Kに道を譲り渡し533MHzで止まりました。
(Celeron/Coppermineの533MHzは533A MHzと表現されます)
もう市場で見かけることも稀でしょう。
実はこのCeleronもL2キャッシュはCPU動作クロックと同じクロックで動作するんです。
また、初期のCeleronはSlot1のCPUでした。もし利用しようと思う人がいたら要注意です。
PentiumII:FSB 100MHz,L2 512KB,Slot1,Maximum 450MHz
名前の通りPentiumIIIの前のバージョンのCPUです。
当然の事ながら開発の方は終了しており、450MHzが最高となります。
実はPentiumIIやPentiumIIIに対して「PentiumI」に当たるのは実はPentiumではありません。
PentiumProというCPUがPentiumIIやPentiumIII(あとCeleronも)の基盤になっていたりします。
PentiumProは32ビット命令処理の高速化に特化していたため、
16ビット命令を多用していた当時のWinにはあまり向かず早々と姿を消してしまいました。
UNIXユーザーにはかなり歓迎されたようですけどね(笑)
MMX Pentium:FSB 66MHz,Maximum 233MHz
MMX命令をPentiumに追加したものです。・・・こんなCPUでも稀に見かけるんですよね(笑)
当然の事ながらMMX命令は最近のCPUでも搭載されています。
Athlon:Thunderbird,FSB 100,133MHz(DDRでCPUは200,266MHz駆動),L2 256KB,SocketA/SlotA
新型のAthlonです。キャッシュサイズは小さくなっていますが、
オンダイになっており動作クロックと同じクロックで動作します。
旧型のAthlonですらPentiumIIIと同クラスだった物が高速化されているために、
同じクロックでなら最速CPUと言えるでしょう。
消費電力・発熱量も大きいのが弱点でしょうか。
Athlon:K75,FSB 100MHz,L2 512KB,SlotA(SECC),Maximum 1GHz
AMDの主力CPUで浮動小数点計算でPentiumIIIを上回ります。
全体的な性能も同クロックのPentiumIIIを上回るようですが、
インテルのCPUタイプに最適化されたアプリケーションが多いので、
実際に動かしてみてPentiumIIIを越える快適さが得られるかどうかは分かりません。
L2キャッシュがオフダイでCPUの動作クロックと同じクロックで動作しないこと、
CPUが必要とする電力が非常に大きいことが弱点です。
このCPUを利用する際には電源がこの消費電力に耐えられるかどうかを確認しておきましょう。
(「Athlon対応」等と明記してあることもあります。)
またエンハンスト3DNow!に対応しています。
Duron:Spitfire,FSB 100MHz,L2 64KB,SocketA
AMDがK6シリーズに続いて投入した低価格CPUです。
L1キャッシュ128KB、L2キャッシュ64KBという少し不思議な構成です。
低価格CPUと言いつつも同クロックのCeleron/Coppermine-128Kをはるかに凌ぐどころか、
PentiumIII/Coppermineとでさえもいい勝負をしています。
消費電力も小さく、発熱量も押さえられているようです。
欠点としてあげられるのは、上位CPUのAthlonが手頃というか安すぎるぐらいの価格まで落ちてしまったので、
居場所がなくなってしまったのが否めないところがあると言うぐらいでしょうか。
K6-2:FSB 100MHz,Socket7,Maximum 550MHz
インテルがsocket7のCPUを投げ出してslot1に走った後もAMDはK6-2の開発・生産を続けました。
そのおかげでsocket7のPCを長く使った(使っている)と言う人は多いのではないでしょうか?
現在ではK6-2+というモバイル用CPUを流用したODPがsocket7用として売られています。
K6-2+はリテールパッケージ(CPU単体での正式出荷版)は存在せず、
秋葉原などでバルク品として見かけるだけです。
K6-III:FSB 100MHz,Socket7,Maximum 450MHz
性能は悪くないと思うのですが、コストパフォーマンスの悪さが嫌われ450MHzで止まっています。
キャッシュはCPUの動作クロックと同じクロックで動作するようです。
また、K6-3+と言うCPUがK6-2+と同じような感じで出回っています。
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